世界報道写真展2006

東京都写真美術館


今、自分は日本でたいそう幸せに生きている。その一方で、この写真展で目の当たりにする人生を送っている人が、この瞬間にも世界にいるというのは紛れもない事実。正直、目を背けたくなる写真もある。けれど、「これが世界の現実の一部なんだ」と自分に言い聞かせながら見た。


思わず涙が出た写真もあった。イラクに行っていて亡くなったアメリカ軍兵士の遺体が母国に戻ってきて、埋葬される前の晩のシーン。「妻は、棺の前から離れたくないと言って、彼との思い出の音楽を一晩中PCから流し続けた」みたいな説明があって、その奥さんが棺の前のPCのところで眠っている。まさか自分が写真を見て泣くとは思わなくて、でも気づいたら涙がじわって。


この内容の深さで、(大学生)600円は安い。